2014/02/26

効率よりも、全部できること(ワンストップ)が求められる

ベンチャーは地方でチャンスをつかめ!
〜沖縄で飛躍的に成功する40の法則




 沖縄では、救急車のたらい回しがほとんどないということをご存じでしょうか?

 それには2つの理由があります。
 1つはベトナム戦争の経験です。60年代、沖縄はベトナム戦争における米軍の前哨基地でした。沖縄からベトナムへ従軍兵士が送られ、帰路の便には、負傷した米兵を乗せ、沖縄に戻って来ました。このときの救急医療の技術・ノウハウが、うるま市にある沖縄県立中部病院を中心に移植されました。その結果、沖縄は全国でも屈指の救急医療先進地となりました。

 2つめの理由は、小さいが故に医者も少なかったという理由です。離島においては、『Dr.コトー診療所』よろしく、その地域には医師が一人しかいない場合が多々あります。乳児の急患がでた場合、「私は外科なので、明日、船で本島の病院へ行くように」と指示するわけがありません。小さな、しかも隔離されたような集落の医師は、まずはあらゆる事態に対応を求められ、救急かつ最善の措置をとることを求められます。

 このような、沖縄ならではの歴史的、地域的な背景もあり、沖縄医療従事者は鍛えられ、緊急時には東京より沖縄のほうが安心できるという状況が生まれているのです。

 さて、このようなワンストップ感覚、ワンストップの覚悟は、アントレプレナーやベンチャーにとってもひじょうに大切な資質の1つです。

 大企業であれば、効率を最重要視しますので、自分は特定の仕事に注力し、他の仕事は機能分化した他部署に任せます。また、継続的に発生しないと思われる業務は、アウトソースすることが合理的な経営判断となります。しかし、こういう機能的な職場に長く慣れ親しんでしまうと、よくて専門バカ、悪ければ、特定職務以外では全く役に立たない、ヒト型特殊歯車と化してしまいがちです。

 一方で、資金的な余力が少ないベンチャーにとっては、何でも自分でやるというスタンスが重要になります。作るのも、売るのも、宣伝するのも自分の役割です。

 ましてや沖縄は首都圏の経済圏と比べると圧倒的に小さい、というか無い(苦笑)。人材も求人誌に出せば集まるというような人口ボリュームがそもそもないので、育てるところからはじめないといけない。ベンチャーは無い無い尽くしとよくいわれますが、沖縄(地方)のベンチャーはさらに<ナイ>のです。

 精神論だけでは、持続的・爆発的な成長は望めませんが、「なんでも来い!」という強い覚悟と信念は、うわべだけのシステムをどんなに構築しても解決できない問題をクリアしてしまうことがあります。そのことを沖縄の救命医療が教えてくれるのです。



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