2014/04/28

アジアとのビジネスプロトコルの親和性

ベンチャーは地方でチャンスをつかめ!
〜沖縄で飛躍的に成功する40の法則



 私のアジアビジネスの大師匠、吉村章さんを沖縄に招き講演をしていただいたことがあります。そのとき、東京での講演ではこれまで感じたことがなかった違和感が吉村さんにはあったそうです。吉村さんは、次のようなスピーチをしてくれました。

食事の場は人間関係作りの絶好の機会、食事の場はビジネスの最前線(非公式折衝の機会)、食事とお酒で人間関係を急接近させてビジネスが始まる。「ビジネスがあるから友人になる」のではなく、「友人になってビジネスを考え出す」のが中国人の流儀。(『中国人とうまくつきあう実践テクニック』吉村章 著より)

 「とにかく飲もう、それからだ。」という吉村さんの決めぜりふに対し、東京では「なるほど!」といった反応。それに対し、沖縄では、「あたり前のことを、なぜわざわざ言いだすのだろう・・・」という、ちょっと困惑したような空気が会場に流れはじめ、吉村さんはちょっと戸惑ったそうです。

 中華圏とのビジネス基盤になるものは、契約書ではなく、双方の信頼こそが絶対的に重視され、前提となるといった趣旨のスピーチなのですが、それもそのはず、沖縄で私は、全く同様の経験をしました。

 沖縄で上場しているIT企業の役員・Sさんが、沖縄に来たばかりの私に、当時こういうアドバイスをしてくれました。

「永井さん、あなたはIT系の人間だから、初対面の相手でもすぐ企画のプレゼンテーションとかしちゃうでしょ? そういうことは沖縄ではダメ。まず一緒に食事をして、お互いがどういう人間か多少なりともわかってから、商談を始めなさい。」

 まさに、沖縄でも「仕事の話? とにかく飲もう、それからだ。」というビジネスプロトコルなのです。21 世紀のIT業界にいる元東京人の私にとってはなんともスローテンポで、時代遅れな感じのするビジネスの進め方なのですが、実際、中華圏の方々との商談にあたっては成功のための精度をあげる最短ルートです。

 沖縄でビジネスをしていると、契約重視型ビジネス展開も、信頼重視型ビジネス展開も両方とも自然に身につけることができ、あら不思議、中華圏の方々とも違和感なくビジネスのスタートラインに立てるというメリットがあります。

 このプロトコルを、知識で知っていることと、身体に染みついていることとは全く別なので、まずは沖縄で飲みましょう(笑)。

 ちなみに沖縄でのビジネスプロトコルを指南してくれたSさんは、その後どういうわけか、無条件で永井の宣伝(?)をおこなっていただき、私が沖縄の方と名刺交換のたびに、「あー、あなたが永井さん。Sさんから聞いているよ。がんばってね」と、誰一人友だちのいない土地でありながら、温かく迎えいれてくださる体験を、沖縄のいたるところでしました。ほんとうにびっくりです。

目次



中華圏ビジネスを成功させるための<吉村3部作
中華圏の方々の交渉だけでなく、雇用やおつきあいのコツも理解できます。


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